1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:37:48.24 ID:zZmc5sfp0
    まずは中原中也から。


    2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:39:02.45 ID:x/eHaKz9O
    にんげんだもぬ


    3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:40:34.18 ID:zZmc5sfp0
    まずひとつめは、北の海。



    北の海


    海にゐるのは、
    あれは人魚ではないのです。
    海にゐるのは、
    あれは、浪ばかり。

    曇つた北海の空の下、
    浪はところどころ歯をむいて、
    空を呪(のろ)つてゐるのです。
    いつはてるとも知れない呪。

    海にゐるのは、
    あれは人魚ではないのです。
    海にゐるのは、
    あれは、浪ばかり。


    4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:41:26.48 ID:x44j/Z7O0
    おお


    5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:41:51.60 ID:zZmc5sfp0
    この詩は、最初に読んだ時はよくわからないが、
    何度か思い出すうちに、曇天の下の、暗い海が、激しく波打っている情景が思われて、
    なんだか「人魚じゃない」の言葉が効いてくる。


    6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:43:27.72 ID:zZmc5sfp0
    次はとんぼの詩。



    蜻蛉に寄す

    あんまり晴れてる 秋の空
    赤い蜻蛉が 飛んでゐる
    淡い夕陽を 浴びながら
    僕は野原に 立つてゐる

    遠くに工場(こうば)の 煙突が
    夕陽にかすんで みえてゐる
    大きな溜息 一つついて
    僕は蹲んで 石を拾ふ

    その石くれの 冷たさが
    漸く手中で ぬくもると
    僕は放(ほか)して 今度は草を
    夕陽を浴びてる 草を抜く

    抜かれた草は 土の上で
    ほのかほのかに 萎えてゆく
    遠くに工場の 煙突は 
    夕陽に霞んで みえてゐる


    7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:44:12.57 ID:zZmc5sfp0
    夕焼けの情景。詩にはよく出てくる情景だけど、
    しおれた草の萎えていく姿が印象的だ。


    8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:45:05.07 ID:zZmc5sfp0
    一つのメルヘン

    秋の夜は、はるかの彼方に、
    小石ばかりの、河原があつて、
    それに陽は、さらさらと
    さらさらと射してゐるのでありました。

    陽といつても、まるで硅石か何かのやうで、
    非常な個体の粉末のやうで、
    さればこそ、さらさらと
    かすかな音を立ててもゐるのでした。

    さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
    淡い、それでゐてくつきりとした
    影を落としてゐるのでした。

    やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
    今迄流れてもゐなかつた川床に、水は
    さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……


    9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:45:41.77 ID:zZmc5sfp0
    さらさら、さらさらと、柔らかく、暖かく、寂しいメルヘン。


    10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:46:15.94 ID:zZmc5sfp0
    幻影


    私の頭の中には、いつの頃からか、
    薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、
    それは、紗の服なんかを着込んで、
    そして、月光を浴びてゐるのでした。

    ともすると、弱々しげな手付をして、
    しきりと 手真似をするのでしたが、
    その意味が、つひぞ通じたためしはなく、
    あわれげな 思ひをさせるばつかりでした。

    手真似につれては、唇(くち)も動かしてゐるのでしたが、
    古い影絵でも見てゐるやう――
    音はちつともしないのですし、
    何を云つてるのかは 分りませんでした。

    しろじろと身に月光を浴び、
    あやしくもあかるい霧の中で、
    かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、
    眼付ばかりはどこまでも、やさしさうなのでした。


    11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:46:57.36 ID:zZmc5sfp0
    この詩を読んで、誰しもの中にいる、このピエロに気づく。


    12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:48:16.55 ID:zZmc5sfp0
    この詩の連想であって、補足ではないが、



    のPVの、この男のふざけた踊りを見ながら、曲を聞いて、笑っておくと良いと思う。


    13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:49:15.04 ID:zZmc5sfp0
    月夜の浜辺


    月夜の晩に、ボタンが一つ
    波打際に、落ちてゐた。

    それを拾つて、役立てようと
    僕は思つたわけでもないが
    なぜだかそれを捨てるに忍びず
    僕はそれを、袂に入れた。

    月夜の晩に、ボタンが一つ
    波打際に、落ちてゐた。

    それを拾つて、役立てようと
    僕は思つたわけでもないが
       月に向つてそれは抛れず
       浪に向つてそれは抛れず
    僕はそれを、袂に入れた。

    月夜の晩に、拾つたボタンは
    指先に沁み、心に沁みた。

    月夜の晩に、拾つたボタンは
    どうしてそれが、捨てられようか?


    14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:50:46.03 ID:zZmc5sfp0
    有名な詩なので拾った。なんとせせこましい詩だ。せせこましさが良い。


    15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:51:27.12 ID:zZmc5sfp0
    村の時計


    村の大きな時計は、
    ひねもす動いてゐた

    その字板のペンキは
    もう艶が消えてゐた

    近寄つてみると、
    小さなひびが沢山にあるのだつた

    それで夕陽が当つてさへが、
    おとなしい色をしてゐた

    時を打つ前には、
    ぜいぜいと鳴つた

    字板が鳴るのか中の機械が鳴るのか
    僕にも誰にも分らなかつた


    16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:52:01.02 ID:zZmc5sfp0
    この時計もまた、ピエロのように、どこにでもある時計。


    17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:54:04.83 ID:zZmc5sfp0
    「サーカス」
    幾時代かがありまして
      茶色い戦争ありました

    幾時代かがありまして
      冬は疾風吹きました

    幾時代かがありまして
      今夜此処(ここ)での一と殷盛(さかり
        今夜此処での一と殷盛り

    サーカス小屋は高い梁(はり)
      そこに一つのブランコだ
    見えるともないブランコだ

    頭倒(さか)さに手を垂れて
      汚れ木綿の屋蓋(やね)のもと
    ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

    それの近くの白い灯が
      安値(やす)いリボンと息を吐き

    観客様はみな鰯
      咽喉(のんど)が鳴ります牡蠣殻(かきがら)と
    ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

         屋外は真ッ闇(くら) 闇の闇(くらのくら)
         夜は劫々(こうこう)と更けまする
         落下傘奴のノスタルヂアと
         ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん


    18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:54:35.75 ID:zZmc5sfp0
    声に出して読みたいサーカス
    ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
    茶色のイメージが印象的。


    19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:55:10.75 ID:zZmc5sfp0
    朝の歌


    天井に 朱きいろいで
      戸の隙を 洩れ入る光、
    鄙びたる 軍楽の憶ひ
      手にてなす なにごともなし。

    小鳥らの うたはきこえず
      空は今日 はなだ色らし、
    倦んじてし 人のこころを
      諫めする なにものもなし。

    樹脂の香に 朝は悩まし
      うしなひし さまざまのゆめ、
    森竝は 風に鳴るかな

    ひろごりて たひらかの空、
      土手づたひ きえてゆくかな
    うつくしき さまざまの夢。


    20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:56:20.04 ID:zZmc5sfp0
    読んでみれば音が不安定である。じぐざぐとする。
    そのなかで「うつくしき さまざまの夢。」がすーっと通り抜け、いかにも不思議である。


    21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:56:54.74 ID:zZmc5sfp0
    臨終

    秋空は鈍色(にびいろ)にして
    黒馬の瞳のひかり
      水涸れて落つる百合花
      あゝ こころうつろなるかな

    神もなくしるべもなくて
    窓近く婦(をみな)の逝きぬ
      白き空盲(めし)ひてありて
      白き風冷たくありぬ

    窓際に髪を洗へば
    その腕の優しくありぬ
      朝の日は澪(こぼ)れてありぬ
      水の音したたりてゐぬ

    町々はさやぎてありぬ
    子等の声もつれてありぬ
      しかはあれ この魂はいかにとなるか?
      うすらぎて 空となるか?


    22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:58:09.27 ID:zZmc5sfp0
    後ろ二連がたまらないだろう。
    前二連は、音感が非常に良い。


    23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:58:13.79 ID:RCaxWTDE0
    真っ直ぐな道で寂しい

    分け入っても分け入っても藪?
    って山頭火だっけ?


    24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:59:09.07 ID:zZmc5sfp0
    >>23
    奇しくも五人のうちの一人だ。似てる詩人も紹介するので、待ってれ。


    25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 08:59:57.34 ID:zZmc5sfp0
    都会の夏の夜

    月は空にメダルのやうに、
    街角(まちかど)に建物はオルガンのやうに、
    遊び疲れた男どち唱ひながらに帰つてゆく。  
    ――イカムネ・カラアがまがつてゐる――

    その脣(くちびる)はひらききつて
    その心は何か悲しい。
    頭が暗い土塊になつて、
    ただもうラアラア唱つてゆくのだ。

    商用のことや祖先のことや
    忘れてゐるといふではないが、
    都会の夏の夜(よる)の更(ふけ)――

    死んだ火薬と深くして
    眼に外燈の滲みいれば
    ただもうラアラア唱つてゆくのだ。


    26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:00:52.13 ID:zZmc5sfp0
     頭が暗い土塊になつて、
     ただもうラアラア唱つてゆくのだ。

    この部分がたまらない。
    ラアラア歌っていくのだ。


    27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:01:42.25 ID:zZmc5sfp0
    帰郷


    柱も庭も乾いてゐる
    今日は好い天気だ
        縁の下では蜘蛛の巣が
        心細さうに揺れてゐる

    山では枯木も息を吐く
    あゝ今日は好い天気だ
        路傍の草影が
        あどけない愁(かなし)みをする

    これが私の故里だ
    さやかに風も吹いてゐる
        心置なく泣かれよと
        年増婦(としま)の低い声もする

    あゝ おまへはなにをして来たのだと……
    吹き来る風が私に云ふ


    28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:02:29.22 ID:zZmc5sfp0
    無視できなかった。

        路傍の草影が
        あどけない愁(かなし)みをする

    というのが心にくる。


    29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:03:08.30 ID:zZmc5sfp0
    春の思ひ出

    摘み溜めしれんげの華を
      夕餉(ゆふげ)に帰る時刻となれば
    立迷ふ春の暮靄(ぼあい)の
        土の上(へ)に叩きつけ

    いまひとたびは未練で眺め
      さりげなく手を拍きつつ
    路の上(へ)を走りてくれば
        (暮れのこる空よ!)

    わが家へと入りてみれば
      なごやかにうちまじりつつ
    秋の日の夕陽の丘か炊煙か
        われを暈(くる)めかすもののあり
          
          古き代の富みし館(やかた)の
              カドリール ゆらゆるスカーツ
              カドリール ゆらゆるスカーツ
          何時の日か絶えんとはする カドリール!


    30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:03:39.19 ID:zZmc5sfp0
    なんともドラマチック。「カドリールゆらゆるスカーツ」を、口ずさんで中毒になる。


    31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:06:50.76 ID:zZmc5sfp0
    中原中也は、ここではこれでおしまい。
    有名な詩は、「汚れつちまった悲しみに」「骨」「夏(血を吐くような物憂さたゆけさ)」など、他にもいろいろある。
    詩集を求めるならば、http://www.amazon.co.jp/本/dp/4041171040
    (角川ソフィア文庫『中原中也全詩集』)がおすすめ。


    32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:09:07.06 ID:zZmc5sfp0
    次は萩原朔太郎。というよりも、彼の、『月に吠える』を紹介する。
    『青猫』など、他にも詩集はあるが、個人的に、紹介する権利がないように思われるので、『月に吠える』からのみ紹介する。


    33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:09:44.59 ID:xhsJy/vRO
    ランボオはよ


    36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:11:34.89 ID:zZmc5sfp0
    >>33
    翻訳詩は口に合わず、外国語ができないので、パスで。申し訳ない。


    34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:10:03.28 ID:zZmc5sfp0
    『月に吠える』「序」より一部分

    以前、私は詩といふものを神秘のやうに考へて居た。ある霊妙な宇宙の聖霊と人間の叡智との交霊作用のやうにも考へて居た。或はまた不可思議な自然の謎を解くための鍵のやうにも思つて居た。併し今から思ふと、それは笑ふべき迷信であつた。
    詩とは、決してそんな奇怪な鬼のやうなものではなく、実は却つて我々とは親しみ易い兄妹や愛人のやうなものである。
    私どもは時々、不具な子供のやうないぢらしい心で、部屋の暗い片隅にすすり泣きをする。さういふ時、ぴつたりと肩により添ひながら、ふるへる自分の心臓の上に、やさしい手をおいてくれる乙女がある。その看護婦の乙女が詩である。
    私は詩を思ふと、烈しい人間のなやみとそのよろこびとをかんずる。
    詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。
    詩を思ふとき、私は人情のいぢらしさに自然と涙ぐましくなる。


    35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:10:59.98 ID:zZmc5sfp0
    乙女の部分の情景が、心に焼き付いている。


    37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:12:12.64 ID:zZmc5sfp0


    まつくろけの猫が二疋、
    なやましいよるの家根のうへで、
    ぴんとたてた尻尾のさきから、
    糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
    『おわあ、こんばんは』
    『おわあ、こんばんは』
    『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
    『おわああ、ここの家の主人は病気です』


    38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:12:56.01 ID:zZmc5sfp0
    凄い。比喩は平凡だが、とにかく非凡であり、おもしろい。


    39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:13:46.51 ID:zZmc5sfp0
    見しらぬ犬

    この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
    みすぼらしい、後足でびつこをひいてゐる不具(かたわ)の犬のかげだ。

    ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
    わたしのゆく道路の方角では、
    長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、
    道ばたの陰気な空地では、
    ひからびた草の葉つぱがしなしなとほそくうごいて居る。

    ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
    おほきな、いきもののやうな月が、ぼんやりと行手に浮んでゐる、
    さうして背後(うしろ)のさびしい往来では、
    犬のほそながい尻尾の先が地べたの上をひきずつて居る。

    ああ、どこまでも、どこまでも、
    この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
    きたならしい地べたを這ひまはつて、
    わたしの背後(うしろ)で後足をひきずつてゐる病気の犬だ、
    とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
    さびしい空の月に向つて遠白く吠えるふしあはせの犬のかげだ。


    40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:14:03.91 ID:iHYvUkan0
    紹介せんでも国語の教科書に載っとるからみんなしっとると思うよ


    41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:14:47.42 ID:zZmc5sfp0
    >>40
    その詩人の、載っていないものも載せられたら良い。


    42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:15:18.69 ID:zZmc5sfp0
    蛙よ

    蛙(かへる)よ、
    青いすすきやよしの生えてる中で、
    蛙(かへる)は白くふくらんでゐるやうだ、
    雨のいつぱいにふる夕景に、
    ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ、と鳴く蛙(かへる)。

    まつくらの地面をたたきつける、
    今夜は雨や風のはげしい晩だ、
    つめたい草の葉つぱの上でも、
    ほつと息をすひこむ蛙(かへる)、
    ぎよ、ぎよ、ぎよ、ぎよ、と鳴く蛙(かへる)。

    蛙(かへる)よ、
    わたしの心はお前から遠くはなれて居ない、
    わたしは手に燈灯(あかり)をもつて、
    くらい庭の面(おもて)を眺めて居た、
    雨にしほるる草木の葉を、つかれた心もちで眺めて居た。


    43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:15:51.01 ID:zZmc5sfp0
    静かだから、グロテスクではない。
    暗い情景である。


    44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:16:20.88 ID:zZmc5sfp0
    白い共同椅子

    森の中の小径にそうて、
    まつ白い共同椅子がならんでゐる、
    そこらはさむしい山の中で、
    たいそう緑のかげがふかい、
    あちらの森をすかしてみると、
    そこにもさみしい木立がみえて、
    上品な、まつしろな椅子の足がそろつてゐる。


    45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:16:59.36 ID:sskdaXfD0
    伊良子清白来るか?


    46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:18:05.03 ID:zZmc5sfp0
    彼の詩は静かだが、
    彼の持つイメージは激しい。
    イメージが激しいから、
    静かな詩ほど強い。
    共同椅子は、下記の詩など、読んでいれば、その強さがより分かりやすいだろうと思う。

    「地面の底の病気の顔」

    地面の底に顔があらはれ、
    さみしい病人の顔があらはれ。

    地面の底のくらやみに、
    うらうら草の茎が萌えそめ、
    鼠の巣が萌えそめ、
    巣にこんがらかつてゐる、
    かずしれぬ髪の毛がふるえ出し、
    冬至のころの、
    さびしい病気の地面から、
    ほそい青竹の根が生えそめ、
    生えそめ、
    それがじつにあはれふかくみえ、
    けぶれるごとくに視え、
    じつに、じつに、あはれふかげに視え。

    地面の底のくらやみに、
    さみしい病人の顔があらはれ。


    47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:20:54.98 ID:zZmc5sfp0
    萩原朔太郎はここまで。
    正直言って、愛燐詩篇と月に吠える以外は、あまり良くないと思う。
    詩集を求めるならば、岩波文庫の『萩原朔太郎詩集』
    (http://www.amazon.co.jp/dp/4003106210
    前半二つが、『愛燐詩篇』と『月に吠える』だ。


    48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:21:30.93 ID:zZmc5sfp0
    次、名前だけは知っているかもしれないが、山村暮鳥。


    49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:22:14.57 ID:zZmc5sfp0
     雲


    丘の上で
    としよりと
    こどもと
    うつとりと雲を
    ながめてゐる


      おなじく


    おうい雲よ
    いういうと
    馬鹿にのんきさうぢやないか
    どこまでゆくんだ
    ずつと磐城平(いはきたひら)の方までゆくんか


    50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:22:47.15 ID:zZmc5sfp0
    短いので、ゆっくり読もう。
    『雲』という詩集の『雲』という詩である。


    51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:24:22.55 ID:zZmc5sfp0
     こども

    おや、こどもの聲がする
    家のこどもの泣聲だよ
    ほんとに
    あんまり長閑(のどか)なので
    どこかとほいとほい
    お伽噺の國からでもつたはつてくるやうにきこえる
    いい聲だよ、ほんとに

      おなじく

    こどもよ、こどもよ
    燒けたら宙に放りあげろ
    たうもろこしは
    風で味よくしてたべろ
    風で味つけ
    よく噛んでたべろ

      おなじく

    こどもが
    なき、なき
    かへつてきたよ
    どうしたのかときいたら
    風めに
    ころばされたんだつて
    おう、よしよし
    こんどとうちやんがとつつかまへて
    ひどい目にあはせてやるから


    52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:24:54.01 ID:zZmc5sfp0
    説明不要。淡々と詩だけを貼る。


    53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:25:31.19 ID:zZmc5sfp0
      馬

    馬が水にたつてゐる
    馬が水をながめてゐる
    馬の顏がうつつてゐる

      おなじく

    だあれもゐない
    馬が
    水の匂ひを
    かいでゐる


    54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:26:10.23 ID:zZmc5sfp0
      驟雨

    驟雨は
    ぐつしよりとぬらした
    馬もうまかたも
    おんなじやうに



    病牀の詩

    朝である
    一つ一つの水玉が
    葉末葉末にひかつてゐる
    こころをこめて

    ああ、勿體なし
    そのひとつびとつよ


    55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:26:45.30 ID:wC0P+hxa0
    ディキンソンまだ?


    56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:26:57.58 ID:zZmc5sfp0
      おなじく

    ああ、もつたいなし
    もつたいなし
    蟋蟀(きりぎりす)よ
    おまへまで
    ねむらないで
    この夜ふけを
    わたしのために啼いてゐてくれるのか

      おなじく

    ああ、もつたいなし
    もつたいなし
    かうして
    寢ながらにして
    月をみるとは

      おなじく

    ああ、もつたいなし
    もつたいなし
    妻よ
    びんばふだからこそ
    こんないい月もみられる


    57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:27:27.99 ID:zZmc5sfp0
      月

    ほつかりと
    月がでた
    丘の上をのつそりのつそり
    だれだらう、あるいてゐるぞ


    58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:27:59.32 ID:zZmc5sfp0
    おなじく

    月の夜をしよんぼりと
    影のはうが
    どうみても
    ほんものである

      おなじく

    漁師三人
    三體佛
    海にむかつてたつてゐる
    なにか
    はなしてゐるやうだが
    あんまりほのかな月なので
    ききとれない


    59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:28:28.29 ID:oR6/aPpH0
    ボードレールまだ?


    62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:30:11.35 ID:zZmc5sfp0
    >>59
    俺が全て終えたら、ボードレールの何が良いのか、俺に教えてほしい。


    64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:31:09.27 ID:oR6/aPpH0
    >>62
    アンニュイな気分になれるぜ?


    66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:31:53.14 ID:zZmc5sfp0
    >>64
    おすすめの詩を一つ教えてよ


    70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:36:37.05 ID:oR6/aPpH0
    >>66
    人殺しの酒


    72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:38:20.59 ID:zZmc5sfp0
    >>70
    うーん、やっぱり好みの問題ってことなのかな。


    60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:28:38.76 ID:zZmc5sfp0
      飴賣爺

    あめうり爺さん
    ちんから
    ちんから
    草鞋脚絆で
    何といふせはしさうな

      おなじく

    朝はやくから
    ちんから
    ちんから
    あめうり爺さん
    まさか飴を賣るのに
    生まれてきたのでもあるまいが
    なぜか、さうばかり
    おもはれてならない


    61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:29:11.35 ID:zZmc5sfp0
      おなじく

    あめうり爺さん
    あんたはわたしが
    七つ八つのそのころも
    やつぱり
    さうしたとしよりで
    鉦(かね)を叩いて
    飴を賣つてた

      おなじく

    じいつと鉦を聽きながら
    あめうり爺さんの
    脊中にとまつて
    ああ、一塊(ひとかたまり)の蠅は
    どこまでついてゆくんだらう


    63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:30:46.42 ID:zZmc5sfp0
      お爺さん

    滿開の桃の小枝を
    とろりとした目で眺めながら
    うれしさうにもつてとほつた
    あのお爺さん
    にこにこするたんびに
    花のはうでもうれしいのか
    ひらひらとその花瓣(はなびら)をちらした
    あのお爺さん
    どこかでみたやうな

      ある時

    あらしだ
    あらしだ
    花よ、みんな蝶々にでもなつて
    舞ひたつてしまはないか


    65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:31:21.07 ID:zZmc5sfp0
     手

    しつかりと
    にぎつてゐた手を
    ひらいてみた

    ひらいてみたが
    なんにも
    なかつた

    しつかりと
    にぎらせたのも
    さびしさである

    それをまた
    ひらかせたのも
    さびしさである


    67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:32:47.55 ID:zZmc5sfp0
      ある時

    また蜩のなく頃となつた
    かな かな
    かな かな
    どこかに
    いい國があるんだ


    68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:34:55.26 ID:zZmc5sfp0
    山村暮鳥はここでやめておく。全て『雲』からの引用。
    欲しいならば、http://www.amazon.co.jp/dp/482052724X/でいいが、値段が高い。
    たまに青空文庫で『雲』を見るのでもいい。
    ブックマークにいれてたまに覗くと、しみじみできる。
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000136/files/42755_34855.html


    69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:36:04.38 ID:zZmc5sfp0
    四人目は八木重吉。だんだんマイナーになっていくが、名前だけでも知っている人がいるか不安。


    71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:36:39.96 ID:zZmc5sfp0
    花がふってくると思う

    花がふってくると思う
    花がふってくるとおもう
    この てのひらにうけとろうとおもう




    つまらないから
    あかるい陽(ひ)のなかにたってなみだを
    ながしていた




    こころがたかぶってくる
    わたしが花のそばへいって咲けといえば
    花がひらくとおもわれてくる




    ひかりとあそびたい
    わらったり
    哭(な)いたり
    つきとばしあったりしてあそびたい


    73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:39:10.24 ID:zZmc5sfp0
    風が鳴る

    とうもろこしに風が鳴る
    死ねよと 鳴る
    死ねよとなる
    死んでゆこうとおもう

    かなかな

    かなかなが 鳴く
    こころは
    むらがりおこり
    やがて すべられて
    ひたすらに 幼く 澄む

    果物

    秋になると
    果物はなにもかも忘れてしまって
    うっとりと実のってゆくらしい


    74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:39:41.77 ID:zZmc5sfp0
    この3つは本当にたまらない。


    75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:40:13.84 ID:zZmc5sfp0
    美しくあるく

    こどもが
    せっせっ せっせっ とあるく
    すこしきたならしくあるく
    そのくせ
    ときどきちらっとうつくしくなる


    悲しみ

    かなしみと
    わたしと
    足をからませて たどたどとゆく


    76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:40:50.92 ID:zZmc5sfp0
    大山とんぼ

    大山とんぼを 知ってるか
    くろくて 巨(おお)きくて すごいようだ
    きょう
    昼 ひなか
    くやしいことをきいたので
    赤んぼを抱(だ)いてでたらば
    大山とんぼが 路(みち)にうかんでた
    みし みし とあっちへゆくので
    わたしもぐんぐんくっついていった


    77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:41:33.67 ID:zZmc5sfp0
    西瓜(すいか)を喰(く)おう

    西瓜をくおう
    西瓜のことをかんがえると
    そこだけ明るく 光ったようにおもわれる
    はやく 喰おう




    梅を見にきたらば
    まだ少ししか咲いていず
    こまかい枝がうすうす光っていた


    太陽

    日をまともに見ているだけで
    うれしいと思っているときがある


    78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:42:21.08 ID:zZmc5sfp0


    ながい間からだが悪るく
    うつむいて歩いてきたら
    夕陽(ゆうひ)につつまれたひとつの小石がころがっていた



    この詩は、>>6そっくりだが、こちらの方が、ずっと強烈だとおもう。


    79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:43:11.23 ID:zZmc5sfp0


    黒い犬が
    のっそり縁側(えんがわ)のとこへ来て私(わたし)を見ている




    綺麗な桜の花をみていると
    そのひとすじの気持ちにうたれる


    80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:43:43.64 ID:zZmc5sfp0
    日をゆびさしたい

    うすら陽(び)の空をみれば
    日のところがあかるんでいる
    その日をゆびさしたくなる
    心はむなしく日をゆびさしたくなる




    窓をあけて雨をみていると
    なんにも要(い)らないから
    こうしておだやかなきもちでいたいとおもう


    81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:44:14.36 ID:zZmc5sfp0
    素朴な琴

    この明るさのなかへ
    ひとつの素朴な琴をおけば
    秋の美くしさに耐えかね
    琴はしずかに鳴りいだすだろう





    秋はあかるくなりきった
    この明るさの奥に
    しずかな響があるようにおもわれる


    82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:45:38.74 ID:zZmc5sfp0
    >>81の二つは、同じ物をかいてある。
    間接と直接、客観と主観だが、どちらのほうが良いか、昔なら前者と言えたが、今では余計分からない。


    83:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:46:16.26 ID:zZmc5sfp0


    この 豚だって
    かわいいよ
    こんな 春だもの
    いいけしきをすって
    むちゅうで あるいてきたんだもの




    あの 雲は くも
    あのまつばやしも くも

    あすこいらの
    ひとびとも
    雲であればいいなあ


    84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:46:55.13 ID:zZmc5sfp0
    水や草は いい方方である

    はつ夏の
    さむいひかげに田圃がある
    そのまわりに
    ちさい ながれがある
    草が 水のそばにはえてる
    みいんな いいかたがたばかりだ
    わたしみたいなものは
    顔がなくなるようなきがした





    顔がなくなるようなきがした、とは、本当におもしろい。


    85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:48:02.62 ID:zZmc5sfp0
    かなしみ

    かなしみを乳房(ちぶさ)のようにまさぐり
    かなしみをはなれたら死のうとしている




    雨は土をうるおしてゆく
    雨というもののそばにしゃがんで
    雨のすることをみていたい


    86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:51:18.85 ID:JTdgIp9r0
    「湖上」が無い
    やり直し


    88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:53:39.15 ID:zZmc5sfp0
    >>86
    全部はのっけられない。
    ロマンティックで、中也の魅力が良く零れ出していると思う。彼の描く月はいいね。


    87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:52:28.43 ID:zZmc5sfp0
    かなしみ という題で、谷川俊太郎の詩を思い出す人もいるとおもう。
    八木重吉の書いた「かなしみ」と、そのものは良く似ていると思う。


    かなしみ

    あの青い空の波の音が聞こえるあたりに
    何かとんでもないおとし物を
    僕はしてきてしまつたらしい

    透明な過去の駅で
    遺失物係の前に立つたら
    僕は余計に悲しくなつてしまつた


              (谷川俊太郎『二十億光年の孤独』より)


    また、この詩の収録されている二十億光年の孤独は、谷川俊太郎の処女詩篇であり、そして最高傑作だと思う。
    詩集として、安心して薦められる。ぜひ購入すべし。http://www.amazon.co.jp/dp/4087462684/


    89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:56:56.58 ID:zZmc5sfp0
    さて、八木重吉は以上。
    全て『貧しき信徒』から。他に有名な、『秋の瞳』もあるが、あえて『貧しき信徒』だけにした。
    『秋の瞳』には、より『詩らしい詩』が出ているし、名品も多い。

    哀しみの海

    哀しみの
    うなばら かけり

    わが玉 われは
    うみに なげたり

    浪よ
    わが玉 かへさじとや



    くものある日
    くもは かなしい
    くもの ない日
    そらは さびしい


    この二つなど、非常に良い。前者は、先ほどあげた幾つもの「かなしみ」に匹敵する出来だ。


    90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:58:01.19 ID:zZmc5sfp0
    さて、最後は尾崎放哉。山頭火はここで触れる。


    91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 09:59:07.89 ID:zZmc5sfp0
    有名な二句が、


    せきをしてもひとり

    入れものが無い両手で受ける


    だろう。


    92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:03:52.37 ID:zZmc5sfp0
    ひねもす曇り浪音の力かな


    は、中也の人魚の詩を思わせるかもしれないが、随分のどかで、静かで、より力強い。

    これは初期の詩だが、正直言って、初期の詩は、凡作が多い。

    水たまりが光るひよろりと夕風

    雀のあたたかさを握るはなしてやる

    曇り日の落葉掃ききれぬ一人である

    こんな大きな石塔の下で死んでゐる

    などは良いかな。


    93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:05:21.08 ID:zZmc5sfp0
    にくい顔思ひ出し石ころをける

    など、もう少しなんとかなりそうなものだが、
    より自分に近いことが重要なので、文句は言えない。

    しかし、八木重吉など、

    人を 殺さば

    ぐさり! と
    やつて みたし

    人を ころさば
    こころよからん

    という詩は凄い。


    94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:07:57.28 ID:zZmc5sfp0
    さて、良くなってきて、


    底がぬけた柄杓で水を呑まうとした

    考へ事をしてゐるたにしが歩いて居る

    一本のからかさを貸してしまつた

    山に登れば淋しい村がみんな見える

    墓のうらに廻る

    あすは元日が来る仏とわたくし

    一つの湯呑を置いてむせてゐる


    など、良いものだ。


    95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:10:18.82 ID:zZmc5sfp0
    書き忘れていたが、八木重吉は、ちくま文庫から、全詩集が全二巻で出ているのを薦める。
    いまでは若干値が張るが、文字通り掛け値なしのものだと思う。


    96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:11:55.62 ID:zZmc5sfp0
    さて、山頭火といえば、

    分け入つても分け入つても青い山

    だろう。

    この句の入っている句集『草木塔』から、いくつか拾って紹介したいと思う。


    97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:12:09.30 ID:YLlCtG/I0
    ホメロス
    李白
    オマル・ハイヤーム
    ペトラルカ
    ヴェルレーヌ

    はよ


    99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:22:39.39 ID:zZmc5sfp0
    >>97
    先に書いたとおり、外国詩はめっぽう駄目。リルケとポーとキーツをこっそり楽しむくらい。


    109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 11:58:40.72 ID:UFt/GuXS0
    >>97
    李白ならこれだな

    月下独酌 其一

    花間一壺酒
    獨酌無相親
    舉杯邀明月
    對影成三人
    月既不解飲
    影徒隨我身
    暫伴月將影
    行樂須及春
    我歌月徘徊
    我舞影零亂
    醒時同交歡
    醉後各分散
    永結無情遊
    相期?雲漢


    98:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:18:30.73 ID:zZmc5sfp0
    こんなにうまい水があふれてゐる

    墓がならんでそこまで波がおしよせて

    雨だれの音も年とつた

    草しげるそこは死人を焼くところ

    笠をぬぎしみじみとぬれ

    うらうら蝶は死んでゐる

    など、良い物を気にせず拾って、センチメンタリズムを感じると思う。
    俳句にしては、随分感傷的だ。

    (http://www.amazon.co.jp/dp/4480029400)

    と、センチメンタリズムな俳句といえば、朔太郎の取り上げた与謝蕪村が思い出される。


    燭の火を燭にうつすや春の夕

    春雨や暮れなむとしてけふもあり


    100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 10:26:09.67 ID:zZmc5sfp0
    もう書くことないな。
    本当に、紹介だった
    おわり。
    室生犀星や島崎藤村、三好達治なんかも、書きたかったが、
    言い方悪いが、どこか二流に思えてしまう。あくまで個人的な感想。


    102:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/06/14(金) 11:42:45.13 ID:bkh7EAHuP
    詩の良し悪しはほとんど好みの問題に思えました
    みつを

    元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1371166668
    1001:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/05/03(金) 23:47:03.91 ID:AtoZ
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        コメント

        1.名無しの名無し2013年06月16日 14:15  ▽このコメントに返信

        おう 夏だぜ!

        2.カマキリりゅうじ2013年06月16日 14:15  ▽このコメントに返信

        おう 夏だぜ!

        3.2013年06月16日 14:51  ▽このコメントに返信

        あついぜ!

        4.名無しAtoZ2013年06月16日 14:59  ▽このコメントに返信

        おまえ佐伯さんの体操服盗んだだろ?

        5.名無しAtoZ2013年06月16日 15:43  ▽このコメントに返信

        暑いから夏なんだぜ!

        6.名無しAtoZ2013年06月16日 16:16  ▽このコメントに返信

        湖上はやっぱり挙がってるか

        流石だなあ

        7.2013年06月16日 16:22  ▽このコメントに返信

        美しい日本語

        8.名無し2013年06月16日 17:31  ▽このコメントに返信

        茨木のり子が好きだ。久しぶりに彼女の詩集読もうかな。

        9.名無しAtoZ2013年06月16日 19:51  ▽このコメントに返信

        いのちの声が忘れられない。

        10.2013年06月16日 21:18  ▽このコメントに返信

        詩って結構いいもんなんだね

        11.名無しのジョジョ好き2013年06月16日 23:43  ▽このコメントに返信

        宗左近が好き

        12.名無し2013年06月17日 00:19  ▽このコメントに返信

        「実際は、影も、形もない?」

        ――死にそこなってみれば、たしかにそのとおりであった

        13.名無しAtoZ2013年06月17日 01:53  ▽このコメントに返信

        やつぱ中也は天才だと思ひました(小並感)

        コメントの投稿

        おすすめ!
        幸せだなぁ♪

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        あまぞん
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